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2019年02月14日
【導入事例】株式会社WACUL | 業務の仕組み化・自動化にこだわる企業が「MakeLeaps」を活用する理由
人工知能を活用したWebアクセス解析ツール「AIアナリスト」を開発・提供している株式会社WACUL。「Google Analytics」のデータを元に、アクセス分析を自動で行い、改善提案まで教えてくれるサービスだ。導入クライアントは25,000社(2018年11月現在)を超えている。そして今なお成長を続けている注目企業だ。
事業の拡大に合わせて社内の働き方改革も進めており、業務改善や社員間コミュニケーションなどを円滑にするITツールなども積極的に導入している。「MakeLeaps」は2014年から利用している長期ユーザーだ。今回は長年利用している理由を深掘りすると同時に、同社の進化し続ける体制も伺った。
人工知能「AIアナリスト」を提供開始し急成長
ーーまずは御社の事業について教えてください。
竹本祐也さん(取締役CFO・以下、竹本さん):2010年の創業当初は、成果コミット型のWebコンサル会社でしたが、現在は人工知能「AI アナリスト」を提供するサービサーです。当社の事業内容は創業してからの数年と、直近3年程では大きく事業内訳が変わるんですよ。元は「Webコンサルタント会社」でしたが、今は「AIアナリスト」を中心とするSaaSツールの売上がほぼすべてです。
この「AIアナリスト」がリリースされた経緯も面白いんです。もともとは成果コミット型のWebコンサル会社でしたから、契約する前にお客様のWebサイトをどれだけ改善できそうかを算出し、契約書の中により精緻な数字に落とし込む必要がありました。しかし分析を行うには時間がかかり属人的にもなります。そのため自社利用目的で分析支援ツールの開発を進めていました。するとクライアントから「その分析支援ツールが欲しい」というご要望をいただくようになったんです。そのため、SaaSサービスの「AIアナリスト」として外部提供を開始しました。
コンサルティング事業をメインで行なっていた5年間で対応できたクライアントは数百社でしたが、2015年5月に「AIアナリスト」の提供を始めてからは、25,000社(2018年11月現在)のクライアントがいます。さらに、毎月1,000社ほど新たなクライアントが増え続けているので、単にコンサルティング事業を行っている時より社会にインパクトが与えられていると感じますし、市場ニーズもまだまだあると思っています。
ーーすごい伸び率ですね。通常のコンサルティングと「AIアナリスト」の違いを教えてください。
竹本さん:主に3つあります。それは、速い、正確、そして再現性の高さです。
まず1つ目の”速い”は、人を介したアクセス解析はどうしても時間がかかります。一般的なWebコンサルティング会社で2週間ほどかかっていたようなアクセス解析・レポート作成が、AIなら瞬時に完成させることができます。このスピードは人の手だけでは実現不可能な領域です。
次に”正確”であること。人力で行うと、どうしても感情バイアスがかかり提案内容や効果の予想が外れることがあります。その点、AIは機械ですから冷静かつ網羅性も担保されていてミスが起こりにくいのがメリットと言えます。
そして、最後が”再現性”。プロセスが明確に定義されていますから属人的にならずに何度行っても同じプロセスをたどることができ、結果にブレがありません。
ーーレベルの高い技術を要するサービスだと思いますが、「AIアナリスト」開発の背景を教えてください
竹本さん:理由はいくつかありますが、まずはこのWeb解析プロセスで大量の知見があったことが何より大きいですね。創業以来続けてきたWebコンサルティング事業を通じて、多くのクライアントの提案で培ったノウハウがすでにありましたから、すぐに機械学習させることができました。
次に、日本国内で人工知能の第一人者である東京大学の松尾研究室と共同研究を行うコネクションがありました。その関係性があったからこそ、より精緻に分析ができる高品質のWeb解析ソリューション「AIアナリスト」を完成させることができたのです。
ーークライアントの業種や傾向を教えてください
竹本さん:「AIアナリスト」は購入率アップなどのコンバージョン数を向上させるためのツールです。その背景もあって、ECサイトを運営している会社が一番多いですね。ただ、コンバージョン数をあげることは、ほとんどのWebサイトで必要な目標の一つですから幅広い業界で導入されています。
特にBtoB企業であれば問い合わせ、資料ダウンロード、トライアル申込数、などリードユーザー獲得のためにコンバージョンを必要としている企業も多いですね。人材、出版、食品、住宅、金融、教育会社など実は業種は問わず幅広い業界でお使いいただいています。少しユニークなんですが、Webコンサルティング会社も「AIアナリスト」を使っているケースも少なくないんですよ。クライアントのWebサイトのアクセス解析をする際に「AIアナリスト」を活用し、解析業務を効率的に行っていただいていますから、上手く協業できていけたらいいと思っています。
クライアントが月1,000社程増加中。バックオフィス体制も改善
ーー次に社内の業務体制を教えてください。なぜ請求書周りのシステム化を進めたのでしょうか?
田村清貴さん(経理部/マネージャー・以下、田村さん):まずは当社の請求書作成・管理の歴史についてお話します。請求書に関する変化は何度かありました。
創業当初は手書きで請求書を発行し、その次はMicrosoft office Excelで請求書を作成しコンサルタントが定期訪問の際に手渡しするといった運用でした。
しかし、当社はIT業界に身を置くものとしても社内業務もシステム化し無駄を省いていこうという行動方針が当時すでにありました。そこで、2014年頃に請求書周りのITツールの導入を本格検討し「MakeLeaps」を導入したのです。「AIアナリスト」を提供し始めてからは、クライアントのオフィスに訪問する機会が激減し、なおさら経理周りもシステム化する必要があったことも大きいですね。現在はまさにやりたいことができているので満足しています。
ーー御社は「MakeLeaps」を2014年から使っていますが、どのようなところにメリットや使いやすさを感じていますか?
小田切高子さん(経理:写真右):私は2018年の8月に入社しました。前職でも経理を担当していましたが、請求書発行業務を担当するのは初めてでした。もちろん「MakeLeaps」も使ったことがありません。けれど社内で用意されていた簡易マニュアルを確認しただけですぐに使いこなすことができました。その点を含め「MakeLeaps」が優れている点は下記の点だと感じています。
1.シンプルでわかりやすい
私の場合、社内で作成されていた簡単な経理周りのマニュアルを確認するだけで初月から操作することができました。作業ステップが明確なので使い方を覚えることが簡単でしたし、画面や操作がシンプルで、わかりやすくていいですね。
2.チャットで確認しスピーディーに解決
経理系の問い合わせのサポートセンターは電話受付のことが多いんです。電話だと「現在、回線が混み合っていて担当にお繋ぎするまで少々お待ちください」とアナウンスが流れて長時間待つこともあります。けれど「MakeLeaps」はチャットサポートがありますから、待つという感覚がなく快適に使えます。
チャットで問い合わせをしてその間に別の作業を行なっていると回答がすぐにきていたり、緊急時には数秒で返ってくるようなスピード感もあるのが嬉しいですね。
内容についても、機能に関する問い合わせ、利用領収書に関するお問い合わせなど、どのような質問でも受付先を調べる必要がなく、全て一つの窓口で対応してくれます。頻繁に使うシステムですからできる限りストレスは少なく利用したいという気持ちを汲んでくれていると思います。
3.過去のデータがすぐに確認できる
紙書類だと過去の請求書を振り返るのはとても大変です。引き継ぎ前の過去のデータを探すだけで大変な手間になりますが、「MakeLeaps」は帳票伝票の種類ごとに分類ができていて検索ができたり、過去の売り上げ記録などを一目で確認できてとても助かっています。
4.バックオフィス業務の仕組み化に貢献
田村さん:当社はAIツールを提供する会社ですし、システム志向の強い会社です。適切なITツールを導入して仕組み化をし、データを分析することでより良く改善することにこだわっています。「AIアナリスト」は対面コミュニケーションも基本オンラインですから顧客訪問はしません。そのため請求書周りの仕組み化を進めることは事業の拡大とともに必須でした。「MakeLeaps」は見積書や請求書を簡単に作成でき、さらにはワンクリックで郵送代行まで依頼できる点は仕組み化の中でうまく作用していると思っています。
ーー請求管理業務の運用体制を教えてください。
田村さん:はい。現在は請求関連業務を2名体制で行なっています。
請求書を作成する際の基本フローは営業案件管理製品「Salesforce」のデータをCSVでエクスポートし、データを確認・整形した後に「MakeLeaps」にインポートする手順を取っています。請求書を作成した後も、その情報を一度エクスポートして「Salesforce」の情報と再度付き合わせて確認するフローを設けています。
Salesforceと連携する「MakeLeaps for Salesforce(ML4SF)」も検討しましたが、どこにデータのマスターを持たせるのか、自社のビジネスモデルに沿った請求書の要件もきちんと定めながら導入を検討したいと思っているので現時点では「MakeLeaps」を個別に利用しています。
請求書を作成した後の送付手段は2種類です。ひとつはPDFを営業がクライアントへメール送付するケース、二つ目は「MakeLeaps」の郵送代行を利用しています。
利用ユーザーが月間 約1,000社ずつ増えているので、バックオフィスの運用改善や人材配置も日々検討しています。
変化を恐れず、あるべき方向を見据えた成長を
ーー最後に、御社の今後のビジョンを教えてください
竹本さん:当社には「テクノロジーでビジネスの相棒を一人一人に」という企業理念があります。提供するサービスはビジネスパーソンの生産性を高め、クリエイティビティの最大化を支援すべきものですし、当社自体も社員の業務を支えるITシステムを導入しながら働き方改革を進めている最中です。
現在は、勤怠管理、労務管理、社員間コミュニケーション、そして経理周りも「MakeLeaps」をはじめとするSaaS製品を活用しシステム化しています。今後もAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの導入を検討しながら、時代の変化に合わせてより良い環境になるよう変化し続けたいですね。
田村さん:当社にとって「変化し続ける」ことは非常に大切なことです。もしかしたら提供する製品が増えたり、現状提供しているサービスがより拡大すれば業務フローを根本から見直すべき時がくるかもしれません。そのような時でも、古い環境に縛られずにあるべき姿を見据えて方向性を見失わないことが重要です。
「AIアナリスト」においてもクライアント数の伸び率は目を見張るものがありますが、お客様が10倍になっても作業工数を単に10倍にするような非効率なオペレーションにするわけにはいきません。今後も仕組み化を続けていくことで事業も働き方も変化に対応していきたいと思います。そのためにも、SaaS製品ならではのスピーディーなサイクルで製品アップデートを重ねる「MakeLeaps」の今後の改善にも期待しています。
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