請求書における消費税の記載方法とは?作成方法から注意点まで解説

こんにちは。請求業務をかんたんにするクラウドサービス「MakeLeaps(メイクリープス)」事務局です。

請求書を発行する際には、消費税の記載方法について把握しておく必要があります。請求書の消費税記載には細かなルールがあるため、事前に詳細をチェックするのがおすすめです。

本記事では請求書の消費税表示、消費税法や記載すべき項目、消費税の記載がない場合の対応や注意点に加えて、インボイス制度への対応まで解説します。

請求書における消費税について

そもそも請求書に消費税の記載が必要なのかについて、以下で解説します。

請求書発行は消費税法により必要とされている

請求書は、「消費税法」によって作成と発行が必要とされています。請求書に記載すべき項目についても消費税法で定められています。

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また消費税においては請求書と帳簿を保存しておかなければ、経費として計上ができません。そのため企業も個人事業主も、取引の際には請求書の作成・発行を求められます。

消費税法の基礎知識について

請求書の作成・発行に関わる消費税法について、以下で詳しく解説します。

消費税法の概要

消費税法とは、その名の通り「消費税」に関するさまざまな内容を定めた法律です。消費税は商品の購入やサービスの利用など何らかの消費に関する行動に対して課される間接税となり、私たちの生活で最も身近な税金ともいわれます。

消費税法では、課税の対象となる具体的な商品・サービスや納税義務者に該当する人の条件、納税額を計算する方法や申告の内容なども定めています。消費税の税率は変動していて、2019年には標準税率10%、軽減税率8%と改正されました。その後2021年には総額表示が義務化されるなど、さまざまな改正が進められているのが特徴です。

消費税の仕組みとは

消費税法における消費税の仕組みは「消費する=課税」というシンプルな形になっています。消費税は商品・サービスを提供する側ではなく、消費者に対して課税されます。2022年現在は軽減税率や標準税率など複数の種類に分けられているため、消費時の条件に応じて税率が変わります。

サプライチェーン(商品や製品などが消費者の手元に届くまでの流れ)は複雑化していて、実際に商品やサービスが消費者の元に届くまで多くの売買が実施されています。その度に消費税が販売価格に反映されているため、消費者は製造業者→卸売業者→小売業者→消費者という流れのなかで転嫁されている消費税を負担することになり、この流れを「税の転嫁」と呼びます

サプライチェーンの事業者は、商品・サービスの仕入れ時に支払った消費税を控除できる「仕入税額控除」の仕組みが導入されています。

消費税適用の決まり

請求書が適用されるかは、課税事業者と免税事業者のどちらであるかによります。消費税適用の決まりについて、解説します。

免税事業者となる基準

基準となる期間の課税売上高ならびに特定期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、納税の義務が免除され、「免税事業者」となります。ただし、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合には、課税事業者となるため注意が必要です。

なお、基準では免税事業者である事業者が、課税事業者となることに問題はありません。特定期間は、個人事業主と法人で数え方が異なります。

・個人事業者の場合:その年の前年1月1日から6月30日までの期間
・法人の場合:原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間

※参考:特定期間の課税売上高による免税事業者の判定|国税庁

免税事業者の個人事業主も消費税の請求は可能

免税事業者である個人事業主が消費税を請求しても問題はありません。仕入税額控除の要件に、課税仕入れの相手が課税事業者でなければならないとの規定がないためです。

仕入税額控除の計算方法

仕入税額控除とは、仕入れや経費にかかる消費税額を売上にかかる消費税額から差し引くことです。ここでは、控除の計算方法を解説します。

全額控除

全額控除とは、課税仕入れにかかる全ての消費税を控除する方法です。課税売上げの消費税額から課税仕入れの消費税額を差し引き、全額を控除します。全額控除の利用は、課税期間中の課税売上高が5億円以下、かつ課税売上割合が95%以上のときに限られています。課税期間が1年に満たない場合は、課税売上高を課税期間の月数で割り、12をかけ算して算出します。

※参考:No.6401 仕入控除税額の計算方法|国税庁

 

簡易課税制度

簡易課税制度は、売上にかかる消費税額を基礎として、仕入れにかかる消費税額を算出する制度です。主に、中小企業において納税の事務負担に配慮する目的で制定されました。以下の計算式で算出可能です。

・仕入控除税額 = 課税仕入れなどに係る消費税額 × みなし仕入率

みなし仕入れ率は、事業区分により定められています。

一括比例配分方式

一括比例配分方式は、課税仕入れに係る消費税を個別対応方式のように分けられない、あるいは区分されていても選択したい場合に利用する方法です。一括比例配分方式を選択した場合には、2年間以上継続して適用した後でなければ、個別対応方式に変更できません。計算式は以下のとおりです。

・仕入控除税額 = 課税仕入れ等に係る消費税額 × 課税売上割合

※参考:No.6401 仕入控除税額の計算方法|国税庁

個別対応方式

個別対応方式は、課税期間中の課税仕入れに係る消費税を、以下の3つに区分して計算する方法です。

1.課税売上に係る仕入:全額控除
2.非課税売上に係る仕入:控除なし
3.課税売上と非課税売上に共通して係る仕入:課税売上割合に応じて控除

計算式は以下のとおりです。

・仕入控除税額 = 課税売上に係る仕入+(課税売上と非課税売上に共通して係る仕入 × 課税売上割合)

請求書に消費税を記載すべき理由

サプライチェーンの流れにおいて、請求書に消費税が記載されていないと、仕入税額控除の対象として申告できません。そのため消費税の記載がない請求書を受け取ってしまった場合には、取引先に問い合わせを行う必要があるでしょう。

消費税が記載されてない請求書では、問合せをする必要があったり、請求先と認識の齟齬が発生したりと、トラブルにも発展しかねないため、請求書には消費税の記載が必要とされています。

請求書の消費税は外税と内税、どちらにすべき?

請求額の税込対価の金額の記載さえあれば、個別の取引品目は、外税と内税どちらを用いても問題ありません。

消費税がない請求書を受け取った場合はどうすればいいのか

万が一消費税の記載がない請求書を取引先から受け取った場合には、2つの対応方法があります。1つは請求書を受領した事業者が「区分記載請求書等保存方式」に従って「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」を記載する方法です。適用する税率ごとに合計金額を計算し、請求書に記載します。

2つ目は、請求書を発行した企業・個人事業主に対して消費税を記載したものを再発行してもらう方法です。基本的に再発行を依頼すれば、新たに請求書を送付してくれます。

請求書に記載する消費税の端数処理の方法と注意点

請求書に消費税を記載するときに、小数点以下の端数が出る場合があります。処理方法と注意点を解説します。

請求書に記載する消費税の端数処理の方法

商品・サービスの金額や適用税率によっては、消費税額に1円未満の端数が生じることも考えられます。端数を処理する方法は、切り上げ、切り捨て、四捨五入のいずれかです。処理方法に決まりはなく、一般的には事業者に選択が委ねられています。

端数処理回数の注意点

インボイス制度では、端数処理は税率ごとに1回限りというルールがあります。納品書で端数処理をした場合、複数の納品書をまとめる請求書上での端数処理は、禁じられています。

消費税を扱う上で必須である請求書の記載項目と作成方法

消費税以外にも、請求書には記載すべき項目が複数あります。以下では、項目ごとの記載方法について解説します。

宛名

請求書には消費税額に加えて、取引先企業の宛名を記載するのが基本です。誰に請求したのかを明確にするために、正式な会社名や担当部署、担当者の氏名などを記載します。

宛名の書き方は「株式会社〇〇」といった正式名称の後に、「御中」と記載する形が一般的です。法人が請求書の送付先となる場合には、正確に届くように部署名と担当者氏名を合わせて書くのが基本となります。

請求書の発行日

請求書には、実際に発行した日付を記載する必要もあります。発行日は作成日とは異なり、請求書を提出するためにデータから紙に印刷したり、PDFデータとして出力したりした日付のことを意味します。

請求書の発行日は取引先の締め日などに合わせるケースが多いため、事前に都合の良いタイミングを話し合っておくとスムーズに送付が可能です。

発行者

請求書を作成・発行した自社の情報を、発行者として記載します。会社名、担当者の氏名、郵便番号と住所、連絡先となるメールアドレスや電話番号などを記載するのが基本です。

発行者が実際に発行したことを証明するために印鑑を押すのが一般的でしたが、近年はメールなどの電子データでは不要とされるケースも多いです。

取引に関する内容

「何の請求書」なのかを明確にするために、取引内容を詳細に記載する必要があります。具体的には取引した商品名・サービス名、数量、金額、単価などを記載します。

取引内容は誰がみても分かるように、「〇月分 〇〇(仕事内容)に関する料金」といった形で記載すると良いでしょう。ここで記載する金額や単価は、税抜で記載するのが一般的です。

取引金額に関する税の表示

請求書に取引の詳細を記載したら、その内容に合わせて消費税込みの金額を明確にします。消費税の内訳を把握できるように、税抜の金額と消費税額を別々に記載し、最終的に税込金額として合算します。

例えば「〇月分 〇〇(仕事内容)に関する料金:10,000円」「合計金額:11,000円(税率10%)」などと別々に記載します。複数の請求額がある場合には、全てを合算した上で税率をかける形でも問題ありません。

請求書作成において見落としがちなポイント

請求書を作成する際には、押さえておくべきポイントがあります。ここでは、請求書作成において見落としがちなポイントについて解説します。

振込手数料の負担者を明確にする

振込手数料は、長期的に見れば大きなコストになるため、事前にどちらが負担するのか明確にしておきましょう。一般的には、特に意思表示がされていない場合は、請求された側が支払うケースが多いとされています。

源泉徴収について確認する

源泉徴収を行う場合は、源泉徴収額を別途請求書に記載する必要があるかどうかも、確認しましょう。事前に取引先に源泉徴収の扱いについて確認したり、取引契約書に記載したりするなど、トラブルを防止するようにしましょう。

請求書の送付方法を確認する

請求書をメールで送る際には、取引先の承諾を得る必要があります。企業によって請求書を電子メールで送付してほしい場合と、郵送で送ってほしい場合があるため、事前に都合のよい送付j方法を確認しておきましょう。

インボイス制度への対応も必要

請求書と消費税に関する情報をチェックするのなら、併せてインボイス制度への対応方法を把握しておきましょう。ここでは、適格請求書等保存方式の記載方法について解説します。

適格請求書等保存方式(インボイス制度)の記載方法

インボイス制度は2023年10月1日からスタートした制度です。インボイス制度に合わせた請求書を作成する際には、以下の情報を記載する必要があります。

・適格請求書発行事業者の登録番号
・税率ごとの消費税額・税率ごとの適用税率

適用税率には、10%対象品と、5%対象品について適用される品目の合計金額を記載しましょう。

区分記載請求書等保存方式とは

区分記載請求書等保存方式は、2019年にそれまで用いられていた「請求書等保存方式」に代わって導入された請求書の保存方式です。2023年10月1日のインボイス制度(適格請求書等保存方式)の施行により、撤廃されました。区分記載請求書等保存方式では、請求書に「軽減税率対象品目である旨」と「税率ごとの合計額」を記載する決まりがあります。

請求書等保存方式とは

請求書等保存方式とは、請求書に記載する内容の基本の要件をまとめた請求書作成ルールです。請求書等保存方式では、以下の記載が定められています。

・書類の作成者の氏名または名称
・課税資産の譲渡を行った年月日
・課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容
・課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)
・書類の交付を受ける当該事業者の氏名または名称

減税率制度が導入されたことに伴い、区分記載請求書等保存方式に取って代わられました。

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まとめ

結論として請求書には、消費税の記載が必要とされます。万が一消費税の記載を忘れてしまった、請求書に消費税を記載しなかったといった場合には、再発行などで対応すると良いでしょう。この機会に請求書と消費税の関係性を確認し、正確な書類を作成できるようにしましょう。

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この機会にメイクリープスを利用するメリットを確認いただき、ぜひ利用をご検討ください。

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